その名を惜しむ勇士は☆ | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

ある老人が、

「年老いて身の養もいらぬもの也。」

と言っているのを、

 

ある人が諌めて、
「一夜の宿であっても、雨露が漏るのは良からぬものである。
昔、松永久秀が信長公に戦負けて自害に及ばんとした時に、

百会(ひゃくえ・頭頂部にあるツボ)に、灸をして言った。

「これを見る人は、何のための養生だろうかと、たいへんおかしく思うだろうが、

私は常に中風を憂いている。

死に臨む時、もし突然中風が発して、五体心に任せなくなれば、
人から『臆したのだ』と笑われてしまうだろう。

そうなれば私の今までの武勇も、尽く徒のものとなってしまう。
百会は中風の神灸であるから、当分その病を防いで、

快く自害すべきためである。」

と、灸をすませて切腹したという。
その名を惜しむ勇士は、このようにあるべきなのだ。」

と言った。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 平蜘蛛の釜、松永久秀

 

 

 

ごきげんよう!