合戦で鉄砲の者を召し連れ、鉄砲を討たせる時は、
たとえ敵が五間か十間の遠くに在ったとしても、
何か木陰などが有ればそこに召し連れ参り、
そういった場所で撃たせるべきである。
そのようにすれば、こちら側に手負いは出ない。
何も知らない衆は、少しでも近くにと思い、
敵から見晴らしの良い場所に鉄砲の者達を置いてしまう。
それ故に敵から散々に打たれてしまうのである。
そうなれば、手負いが二、三人も出れば、
此の方は崩れてしまう。
鉄砲の命中率など、五間十間遠くても同じことである。
そういった時は、此の方に手負いがないように見立てることが肝要である。
また、旗本より程遠くに在る時は、鉄砲大将の指物を、敵に近い場所に、
塚でも、また小高い場所でも有るならば、
そこに指物を持たせ遣わし、立てておくのだ。
そのようにすれば、脇より見て、
「誰々は早くもあそこまで仕寄せしている。」
と見えるものである。
こう言ったことは、自ずから行うべきことで、
鉄砲大将などは心得有るべきである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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