天正10年(1582)6月、本能寺の変の報を受け、
中国で毛利と対峙していた羽柴秀吉は、
急遽毛利との講話をまとめる。
さてこの時、双方より、これを保証する人質が出されたのだが、
秀吉から送られたのは家臣の森高政・重政兄弟であった。
この秀吉からの人質と体面をした毛利輝元は、彼らにこう語りかけた。
「毛利と羽柴両家の好のはじめに、貴方達が我が元に来たのですが、
あなた方の苗字が森ということは、苗字の地は我らと同じ、相模国毛利(森)庄ですね?
これは不思議な因縁です。
どうでしょう?
よろしければ貴方たちも我らと同じ毛利の姓を名乗り、
末永く兄弟の契りを結ぼうではありませんか?」
これにより森高政・重政兄弟は、この時から森を改め毛利を名乗り、
毛利輝元と親しい関係を築いたという。
秀吉からの人質の心を取った、毛利輝元のいい話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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