上杉景勝が、上洛する最中、罪を犯したとして、ある家臣を誅殺する事があった。
ところが越後に戻るとこの家臣に立派な葬儀を執り行い、
更には景勝自身も焼香しにきて言った。
曰く、
「この者は罪を犯し、天命は一人のためには変えられぬものである。
大将として今回の死罪は仕方のない事だった。
しかし罪による誅罰と長年の忠義軍功は別であり、彼の功に報いて篤く弔いたい。」
景勝は、まるで生きている者に話すように死者に語り掛け、別れを惜しんだ。
死を賜った家臣の家中の者たちはこの姿に大層感激し、
なんとありがたい事かと感謝したという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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