武士の誉れを語る☆ | げむおた街道をゆく

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細川越中守忠興は、武具の研究に最も熱心な武将であった。
 

時には自ら手を下して作ったこともあるといい、
勇ましさ、美しさを兜に表現する名人であったらしい。

当時は兜を作る際、多くの大名が忠興に教えを乞うた。
忠興は参勤交代時にいつも京都に滞在し、
大納言烏丸光広を訪問しているのだが、
ある時、その烏丸家に、近国大名の使者が忠興を追ってきた。

「越中守様のご指示どおりの、兜を作りたい。」

とその使者は言う。
 

そこで忠興は注意事項を詳しく書き添えて、使者に与えた。
すると使者は内容を一読すると、小癪にも、
「立物の下木は桐の木を、というのは間違いでは?
桐の木は折れ易いものです。」

と問いただした。

忠興はたちまち顔面を紅潮させ、激怒した。
「汝は弓取りの使いとも思えぬ!
戦いに挑んで誰が生きて帰ろうと思う。
なぜ桐の立物を厭う。軽いほうが動きやすいのだ。
立物の折れるほど働いてこそ、武士の誉れぞ!」

使者は、返す言葉がなかったという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 激情の人、細川忠興

 

 

 

ごきげんよう!