草野介惣の加増☆ | げむおた街道をゆく

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福島正則の家臣に、草野介惣という者があった。

彼は正則と同じ在所の者であり、扶持は切米(米の現物支給)で使われていた。

その後、正則が安芸備後領国を拝領した時、五人扶持三十石取りとなった。

そんな介惣がある時、正則に対して目安を上げた。
『さてさて、最近になって家中に加わった木造(長政)殿には、

二万石が下されたそうです。
しかしこの介惣は伊予の頃から御奉公しているのに、

僅かな切米しか下されていません。

この事を人はみな笑って、なんとも迷惑しています。』

これを読んだ正則は、殊の外機嫌よく大笑いし、その後、御咄衆との物語の時、

「あの介惣は大の横着者でな、知行などくれてやれば百姓を痛め取り倒してしまうだろう。

そのため少ない知行すら取らせないのだよ。

あの介惣が果報の傷と言っているもの、アレを皆は鑓傷だと思っているようだが、

アレはな、奴の親がつき竿を持っていたのだが、その竿に誤って突かれた傷なんだよ。

あいつにこの前、酒奉行を申し付けたことがあったのだが、あいつは殊の外上戸でなあ、

酒を盗み飲んでしまった。
だからその後、飲むことの出来ない油奉行を申し付けたよ。」

そう笑いながら言った。

 

その後、正則は介惣を、十人扶持三五石に加増して取らせたそうである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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