朝鮮陣の時のこと。
ある城攻めにおいて、大谷吉継の部隊が仕寄り(城攻めのための足場)を、
構築していたときのこと。
この妨害のために城方から、大いに攻撃を受けた。
吉継はそんな中でも前線で指揮をしており、
これを心配した家臣のある者が、このように申し上げた。
「ここは矢弾がたくさん来る場所です。どうか後方に退いてください。」
吉継はそれを聞くと、その場で立ち上がり、この者に言った。
「運命の矢は、いつも一本だけだ。」 (運の矢は一本のものよと被申候由)
そして、決して後方に下がろうとはしなかったと言う。
なんとなく大谷吉継の死生観が見えてくるようなお話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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