石田三成と細川忠興は、仲が悪かった。
当の石田三成自身が、
「幾らなんでも仲悪すぎじゃね?」
と思うほど悪かった。
そこで三成、殊勝にもこう思い立った。
「そうだ!仲直りをしよう!」
三成は、前田玄以に仲介をしてもらい、
忠興と一席を設けて仲直りをすることとなった。
さて、その席でのこと。
忠興が先に着座していると、三成が入ってきた。
手に盆を持って。
その盆には柿が載せてあった。
そして仲直りの挨拶もせず、おもむろにその盆を忠興の前に置き、
「越中守は柿が好物だと聞いたので、持参いたした。
それがしのことは気にせず、食して頂きたい。」
忠興は真っ赤になって怒って出て行った。
残されたのは、何で出て行ったのかまるで解ってない三成と、
あまりの三成の行為に頭痛がしてきた、前田玄以であった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく
ごきげんよう!