上田合戦の信之と信繁☆ | げむおた街道をゆく

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小田原征伐後、徳川家康が関東に移封された。


真田信幸は大名家たる本家とは別に、沼田城主として徳川の与力となった。
 

ある時、信幸は舅にあたる本多忠勝と閑談していた。
「婿殿にとっての軍略とは何かを聞かせてくれまいか。」
「私にとって軍略とは家臣を哀れむ事に御座います。」
「?」
「私の命令で家臣が血を流します。

彼等が血を流さずに済むよう苦心するのが私の軍略です。」
 

忠勝は、ただ感心するばかりであったという。
 

後年、第二次上田合戦のおり、真田信繁の籠もる戸石城を、真田信幸が攻めんとしていた。
「説得して開城させれぬものか。」
「やはり弟君と戦いたくはありませぬか。」
「父と信繁の決意は知っている。もはや戦は避けられぬ。」
「では何故?」
「どちらも真田の大切な兵よ。無為に失いとうはない。」
「殿…。」
「それに戸石城を奪えば武勲あげた我らを上田城攻めには使えん。

武勲をあげたい他の諸将が黙ってはおらぬだろうからな。」
「それでは…。」
「戸石城が開城すれば真田の兵同士が戦わずに済む。それが解らぬ信繁でもあるまい。」
 

結果、信繁は戸石城を開城して上田城に入った。
 

これに真田昌幸は激怒した。
「兄弟同士、真田勢同士で戦えば沼田衆の士気は上がらず、日数を稼げたではないか!」

信幸ならばこう答えたであろう。
「それでも家臣達の血は流れます。私はそれが嫌なのです。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 信濃の獅子・真田信之、目次

 

 

 

 

 

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