毛利元就が、1570年、出雲に攻め込んだ時のお話。
家臣・岩木道忠が、尼子軍に左膝を矢で射られた。
医師に見せたが矢じりが体の中に残ってしまい、なかなか取れない。
医師は、
「切断しないと、無理です。」
元就は、そうかと頷くと、
いきなり岩木の傷口に口をつけ勢いよく吸い込んだ。
あら不思議!
矢じりが取れたではありませんか!
元就は医学に通じていたので医師の誤診を見抜いていたのだった。
傷が治った岩木は感激して、
「いよいよ、死を覚悟してあなたに尽くします。」
と誓った。
ところが元就は、
「こんな事ぐらいで、すぐ死のうと思うのは本当の忠義者ではない。
もっと別の事で俺のために働け。」
といったという。
岩木はあらためて元就に忠誠を誓ったのであった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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