尼子義久が篭る月山冨田城を、毛利元就がついに攻め滅ぼそうとしていた。
が、要害である冨田城は攻めるに難く、さらに、頂上までの山道には、
兵「大変です!竹の皮が敷き詰められていて、つるつる滑って登れません!」
尼子さんも、敷き詰めちゃっていたのである。
しかし智将毛利元就、こんな事には動じない。
「火をつけろ。」
まことに冷静で的確な判断である。毛利軍、早速竹の皮に火をつけた。
ところがこの時、毛利軍に衝撃が走った。
天にわかに曇り、たちまち豪雨となり、
火はたちどころに消されてしまった。
報告が入った。「尼子は、竜神を味方につけているようです!」
毛利元就も動揺した。「どうしろというのだ。」
流石に皆、頭を抱えた。その時である。
「ワシが、城までの道を教えちゃる。」
謎の老婆が現れた。「尾根伝いに城までいける道がありまっそ。」
毛利軍の参謀達は怒り出す、
「いい加減なことを言うな!我々が散々調べてもそんな道は…!」
「当たり前じゃ!」参謀叱り飛ばされる。
「ワシと息子しか知らん秘密の道じゃ。この道の事を教えなかったせいで、
わしの息子は尼子に殺されてしもうた。
かたき、とってくれ。」
毛利軍はこの老婆の教えてくれた道を利用して、冨田城を夜襲。
ついにこれを落とした。
さてこのあと、この老婆が、赤穂の佐方の者だったというので、
その後、佐方の人と、尼子の味方をしていた高野の人は、
縁組しないというほど、仲が悪くなったそうな。
そして、尼子に竜神が味方したというので、
このあたりでは雨が降ってほしい時には、
冨田城の跡で、雨乞いが行われるようになったとか。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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