小田原の役において、3月30日、山中城が陥落すると、
北条の本営である小田原城内は大いに驚き騒いだ。
翌4月1日、豊臣秀吉の20万の軍勢は、
箱根の山を平押に押し上がった。
山に道のないところは、秀吉の下知により、
大石を修羅に乗せて幾所にも引き通らせたため、
士卒はその後を心やすく通った。
北条家がさしも頼みにした剣難の地を、
たちまちに難なく越えて行ったのである。
まことに快き事であった。
秀吉という人の天性才覚の巧みなること、皆このたぐいであった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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