秀吉の、
「日本は言うまでもなく、数寄心がけのある者は唐国からでも参加せよ。」
との呼びかけで、有名な北野大茶会。
天正十五年、秀吉はその準備の為、度々北野を訪れた。
ある時、秀吉、北野へ向かう途中にある浄土院という尼寺が、
銘水で有名な事を思い出した。
「ここの水で立てた茶は、さぞ旨いだろう。」
秀吉、この寺に入って行き、唐突に言った、
「茶を所望する!」
この寺の庵主は驚き慌てた。
彼女には茶の心得がなく、茶人としても名の知れた秀吉に、
下手な茶を出したら何と言われるか。
「ならばいっそのこと。」
庵主、しかたなく白湯を出した。
秀吉、茶では無いのを怪訝に思ったが、
ともかくもそれを飲み干し、言った。
「茶を所望する。」
それでもやっぱり、白湯が出てきた。
これに秀吉、流石にあきれて、
「もうお湯はたくさんだ。今後この寺を、”湯たく山、茶くれん寺”と呼ぶように。」
と言ったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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