天下の大将軍に☆ | げむおた街道をゆく

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小牧・長久手の戦があった時の事。
小牧山に陣を引いた家康との睨み合いに業を煮やした秀吉、

家康に決戦を呼びかけると言い出した。

秀吉、

「我が陣の後ろに柵を作り、

一歩も退かぬ決意にて戦いをいたしたい。と家康に呼びかけよ」

まぁ、真正面から戦えば兵力が違う。

明らかに秀吉の勝ちである。
秀吉自身、本気で決戦を呼びかけているのではなく、

「悔しかったらかかって来いや。」

という挑発のつもりなのだろう。
 

この時代、こう言った「口合戦」と言われる挑発合戦は盛んに行われており、

武田信玄や北条氏康、上杉謙信と言った超一流所もこれを禁じるほど、

兵士の士気に洒落にならない影響を与えるモノであった。

こう言った事情を良く知る秀吉陣営の高山右近、細川忠興らは、

皆、必死に止めるのだが、言い出したら後に退かない秀吉、

忠興に命じて、挑発の手紙を徳川の陣の目の前に置いてこさせた。

暫くして徳川から返事が届いた。
その返事は家康からではなく、

渡辺守綱、水野正重の連署となっていたのだが、

「勝手にすれば? っつーか後ろに柵を作るって何? 

そんなコトしなくちゃ皆逃げちゃうの? 

その発想凄いな、三河者は誰一人、

一歩も退かないからそーゆー発想が出てこない。」

激怒する秀吉と、だから言わんこっちゃない、とため息を突く右近&忠興。

しかし次の瞬間、

激怒した秀吉は数名の小姓のみを引き連れて本陣を飛び出した。
あっけに取られる周囲の者を尻目に、

家康の本陣目の前に進み出ると……

おしーりペンペン!

三河兵、「あ、あれは秀吉! 撃て、撃て~っ!」

弓矢鉄砲の飛び交う中、秀吉は悠々と戻ってきて、

秀吉、「天下の大将軍に弓矢など当たるモノではないわ。」

と高笑いしたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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