ある日、徳川家康が伊達政宗を茶席に招いた。
茶釜の湯が沸く音が聞こえ始め、
「そろそろか。」
と家康が湯を汲もうと、釜の蓋に手を伸ばした。
その時、湯気がシュッと立ち、家康は思わず手を引っ込め、
見ていた政宗はガマン出来ずに、
「プッ」
と吹いてしまった。
それを聞きつけた家康は、ますます炉の火を起こすと、
いきなり熱した釜の上部をガッと掴み、
釜の蓋を手に取ってグッと握り締めた。
「どうじゃ政宗、この家康は湯気の熱さにおびえて手を引く事など無いぞ。」
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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