滝川一益が、いまだ匹夫だった時のこと。
伊藤内蔵という者がいて、
多くの人がこの者を討ちあぐねていた。
一益は思案して、ある宮の拝殿に、
伊藤が参詣する時に座るところの柱に穴をあけておき、
伊藤が社参した時にその穴から鉄砲で撃ち殺した。
これに立ち騒ぐ諸人の中を一益は障りなく退いたのだが、
刀の鞘を落としたことを無念に思って引き返し、
鞘を取って退いたということである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく

ごきげんよう!