晩年の慶次には可愛がっていた稚小姓がいた。
ある時、
「わしはもうすぐ死ぬ。主人が死ねば、家臣もそれに殉ずるのが道理だが、
お前はヘタレだから、そんな事できないだろうなぁ。」
と戯れてみると、それに腹を立てた稚小姓、
「そのような事はありません。私の覚悟をお見せいたします。」
と、服を脱ぎ捨て刀を手に取り、
腹を十字に裂き、喉を貫いて、慶次の目の前で果てた。
「なんという事だ。わしの悪戯で若者を死なせてしまうとは。」
慶次は深く嘆き悲しみ、その数日後、失意のうちに亡くなったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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