慶次が、伏見城で秀吉に謁見するときのこと。
彼はざんぎり頭に鎌ひげ、
左右にのびた口髭という異相で、
長袴を着て次の間に控えていた。
浅野弥兵衛、猪子内匠らが、これを注意した。
「これはなんという格好じゃ、御目見えするときは長髪じゃいかん。」
その場に畏まった慶次、おもむろにつけ髪、かけ髭を取り外すと、
その下から髷も結い、髪も剃った顔があらわれた。
慶次が、秀吉の不興を買うこと、内心ほくそ笑んでいた大名たちは、
慶次のいたずらに乗せられたことに気が付き、興ざめしてしまったそうな。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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