竜造寺本家の当主である胤栄が病死した際、
竜造寺から攻められ筑後に亡命していた少弐冬尚が、
復権の好機とみて肥前に侵入してきた。
これを受け、家中の話し合いにより、
胤栄の跡を継いでいた竜造寺隆信は、
重臣を集め、
「我が代で国が乱れるのは許せぬ。すぐに出兵しよう。
そして少弐家を討ったら東を得よう。
次に有馬家を討てば西は治まる。
それが成功したら、今度は隣国に出陣し菊池家や島津家をも従えて、
中国、四国にも乗り出すのだ。」
と宣言した。
所が家臣から、
「まだ国内も治まっていないのに、諸方へ手を出しても敗れるだけです。」
と諌められ、隆信もこの意見に激怒して軍議の場から退出してしまった。
この一件で、重臣からは、
「あれでは国を治めることは出来ない。」
と嘆かれてしまったという。
しかもこの後、かねてより隆信の本家相続を快く思っていなかった土橋栄益に、
謀反を起こされてしまったという。
夢を語るには早すぎた隆信の悪い話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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