二つの不思議☆ | げむおた街道をゆく

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小田原の役の時、

太田三楽斎(資正)は豊臣方として、小田原の攻口にあったが、

北条方の松田尾張守(憲秀)の陣を見て、「彼に異心あり」と言った。

実はこの時、松田はすでに秀吉に欺かれて内通していたのだが、
三楽斎はこの事を知らないはずであったのに、これを指摘したのだ。

この言葉を聞いた秀吉は怪しみ、「何を見てそのように言うのか。」と尋ねた所、

 

三楽斎は、
「松田の勇謀は人の恐れる所です。

所が今、軍備を正さず、諸卒を戒めず、役所を巡りません。
彼はもとより臆するような人物ではない。

であれば、これは心をこちらに通じているが故なのでしょう。」

この答えに秀吉は感嘆し、源君(徳川家康)に対してこれを語って、
「今ここに二つの不思議が有る。それが解るだろうか。」

「一つは三楽の事でしょう。もう一つは解りません。」

秀吉は言った。
「私は匹夫より起こり天下の主となった。

一方で三楽にはあれほどの知がありながら、一国すら持ち得ていない。

これが二つ目の不思議でなくてなんだというのだ。」

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 三楽斎道誉・太田資正、目次

 

 

 

 

 

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