金峯和尚☆ | げむおた街道をゆく

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佐賀鳥栖は玉林寺の住職・金峯和尚は、鍋島直茂の厚い帰依を受けていた。

その金峯が一線を退き、隠居すると聞いた直茂は、
「長年の厚き恩義、感謝のしようもござらん。

せめて隠居料として知行百石、進呈しよう。」
と申し出たが金峯は、
「お主の武功は、ワシが数珠の房を揉み切るほどに祈祷してやったからじゃろが。

その恩も忘れて、たった百石で恩人を突き放そうっちゅうんかい。

恩を返す気なら、せいぜいワシに付き合えや。」
と怒り、知行を断った。

直茂はこれに応え、たびたび自邸に金峯を招き、

夫人の彦鶴(陽泰院)と二人で金峯の話を聞いた。
 

時に話は深夜に及び、そのまま三人一緒に一つの部屋で寝ることすらあった。

ある朝、金峯が目を覚まして寝返りを打つと、そこには寝乱れた人妻の姿が!!

「ウワァ!」
仰天して隣室に駆け込むと、

「やあ、和尚おはよう。」

そこには澄ました顔の、直茂の姿が。

実は、朝起きたらすぐに身支度を整えるのが日課の直茂、

早起きしたその日は、すっかり金峯を信頼して、

金峯の横で眠る妻をそのままに起き出していたのだ。

『金峯立腹にて「以ての外」と、ねだり申され候由。』

と、「葉隠」は結んでいる。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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→ 佐賀の雄・鍋島直茂、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!