山本常朝が言う。
「直茂公が本庄村の梅林庵で習字を習われていた頃の話なんだが、
梅林庵の近くにあった宝持院という寺が、
髪の手入れ、着付などすべてにおいて心からのお世話を直茂公に尽くされた。
その後、直茂公がご成長なされ感謝の気持ちから宝持院に対して、
『何なりと望みのものがあればかなえましょう。』
と仰せられたので、宝持院は、
『当寺としてはなにも御願いすることはありません。
ただ蒟蒻を一生の間食べ続けたいと思っています。
直茂公がご親切に仰ることでございますので、
どうかこの望みをかなえてください。』
と申し上げたそうだ。
なに!その願いはどうなったかと?
もちろん我が鍋島藩の誇る直茂公のこと、
それ以前に武士に二言はないのが当たり前でもあろう。
生涯に渡り、2日に1度、使いの者が宝持院へ蒟蒻を届けたということである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく

ごきげんよう!