大友宗麟といえ、ば戦国期の代表的なキリシタン大名であり、
その信仰により他の宗教を弾圧したことも、また有名である。
重臣、戸次道雪はこれを憂い、宗麟を諌める書状を送った。
『今の豊後の有様は、殿が無道のみをなされた結果、
天罰をうけ近年では戦に勝利出来ず、
評判は地に落ち窮地に陥っております。
殿のなさりようは他国からも批判を受け、
犬を打って遊んでいるような童までこれを嘲っているとのこと。
筑前の秋月氏の領内では大友の「無道」を十ヶ条に書き上げ、
領内のみならず隣国にまで触れ回っているそうです。
それを殿はご覧になったでしょうか?
そこには、大友領内の老若男女がキリシタンとなって寺社を破壊し、
仏神を川に流し、また薪にし、
寺社の所領を没収して他の人間へ給与しているなどと、
書かれていると承っております。
口幅ったいようですが、日本の武士は源平以来、
仏神の加護を祈って正義に基づき戦ってきたとされていますし、
神社仏寺を尊ぶことを専らにせよとも教えられてきました。
日本は一般に神国といいます。
ご存知でしょうがこの「神国」とは、
すべての神仏を尊重する国、ということです。
どうか、善悪についても、君臣の関係においても、
そしてご信心においても、排他的な考えを持って、
道理と天道に背かれるようなことをなさらないように。
それこそが大切な事のです。』
道雪の思いがにじみ出た、諫言状である。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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