ある年、対陣が長びいて越年してしまった大友軍。
西国九州とはいえ大陸からの風雪も来る前線の冬はわびしいひもじい。
とうとう、
「せめて正月は…。」
と無断でこっそり陣中から抜け出て、実家に帰った家士が現れた。
そりゃもう軍令違反なんだけど、つい里心ついちゃったんですな。
で、やっぱりバレました。
この時、指揮官の戸次鑑連(立花道雪)さんが何をしたかというと……。
“本国まで討っ手を差し向けて、
陣を抜けた本人だけでなく実家の親まで悉く討ち果たしました。”
血の正月、慄然とする大友軍将士。
……一番ビビったのは、日頃の行状を散々お説教されていた宗麟殿だろうが。
だがベッキーさんは言い訳めいたことは一切抜きに、
「無断の陣払いは敵前逃亡、軍法に照らして死罪だ。
子を追い返さなかった親も同罪!」
と言い放ったそうな。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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