真田昌幸が、信玄に人物の観察眼を評価され、
家臣の動向や仕官に来た浪人の面接を任されていた頃の事である。
落合彦助と言う家臣が、
信玄のお気に入りだった同僚をけんかの末に殺害して逃亡した。
その後、二人の浪人が彦助の首を討ち取ったと首を差し出してくると、
夏の暑さで腐り顔の判断がつかなかったにも拘らず、
喜んだ信玄は領地を与えようとした。
しかし昌幸が、
「あの二人は、出世の糸口をつかむ為なら手段は選ばない者です。
領地を与えるのは、良く調べてからにした方がよろしいでしょう。」
と言っていると知った信玄は思い留まった。
その後、第4次川中島の戦いで、彦助が存命していて、
敵対する上杉方として出陣している事が発覚し、
昌幸の観察力が証明されたのだった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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