北条氏政は、
1586年、三嶋大社への参拝の際に、
同盟関係にあった徳川家康と面会の約束をした。
黄瀬川を越えて、わざわざ北条領まで出向く形となった家康だったが、
対面の際は氏政を上座に据えて、
「両家の領地の境にある城を破却して境界を無くそうと思います。
また、そちらが東北地方に出陣する際には、
私が先手を引き受けましょう。」
と、北条方を喜ばせる事を述べた。
宴席が始まると上機嫌になって深酔いした氏政は、
家康の膝の上に寄り掛かって脇差を抜き取り、
「若い頃から『東海一の弓取り』と呼ばれた家康殿の刀を取った。
この氏政は大功を立てたぞ!」
とはしゃいだという。
そんな中、家康は、北条家中の状況を観察していた。
宴席の後、
「北条の世も終わりだ。家臣の様子で察しが付く。」
と述べたという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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