掟の札☆ | げむおた街道をゆく

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自分の領内を家臣達ともに視察しながら歩いていた氏康は、

ある時、掟を書いた立て札を見つけます。

この立て札、民たちの悪事などを戒めるための掟を書いたものなのですが、

周りを見回すと、こういう掟を書いた立看板が、

行く所々で立っていて目立つので、ふと氏康は家臣たちに訪ねます。

氏康、

「なんで戒めの掟を書いた立て札が、こんなに沢山立っているんだ?」

家臣、

「はい。それは最近、領民たちが悪事を働く事が多くなり、

それを取り締まる回数が増えたためでございます。
その為、掟を増やしたのです。」

と家臣は理由を説明した。

 

すると氏康は答えた。

氏康、

「バカモン!

領民たちが悪事に手を染めるというのは、

よほどの理由があってのことだ。
ましてや悪事を働ける程、領内は治安が悪いと言うことだ。

それにそのような掟を出し続け、

政を行うお上にも責任の一端があるということだ。
    
人はな、どうしてもやるなと言われた事は、

やりたくなる質な上に、反発もするものなのだ。

それに掟というのは、多ければよいと言うものではない。

多ければ行動に制約が出るうえに、色々と我慢をせざるえないし、
そしてそれら全て守るには、どうしても限度がある。

ならば、いっそ守るものは少ない方が民も自由が効く上に、

反発も少なくて済む。

それに掟を連続で出すということは、

それだけ政がうまく行っていない事と同じなのだ。

お上が出す掟というのは、

我らの政の能力を問われている部分でもあるのだ。」

これを聞いた家臣は、一理あると納得して、掟の数を減らしたのだという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。  

 

 

 

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→ 相模の獅子・北条氏康、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!