その昔、大宝寺氏が庄内を治めていた時代には、
羽黒山には神宣を司る巫女達の集団があり、それを纏める女別当もいた。
祭礼ごとに湯立ての神事が行われ、神の啓示を巫女が民らに伝えていた。
神宣とはシャーマニズムの一種。
その年によって、「豊作になる。」「災害になる。」といったお告げがあっても、
外れる事もあった。
やがて庄内は、最上義光の領国となる。
最上義光、
「民らの祈りを扶助し後押しする事は奨励するけど、
豊作だと喜ばせて凶作だったら、
目も当てられないし、
天災を予兆して何事も起こらなければ、
いたずらに民心を不安にさせるだけだ。
神宣に規制を設けるよ。
言ってる事、わかるな?」
それに追い撃ちを掛けて、湯立て神事の火が元で山頂の御本社が焼失。
結果的に、羽黒山の巫女達は義光の時代から急速に数を減らし、
衰退していく事になった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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