北天の斗星こと安東愛季は、戸沢氏との合戦で陣没した。
後を継いだのは若干12歳の安東実季。
これに強い不満を抱いたのは叔父の豊島道季だった。
彼は小野寺氏や戸沢氏と同盟し、謀叛を計画した。
実季の湊城を攻めるには安倍千寿丸の双六城が邪魔である。
そこで先ず、双六城を急襲した。
突然の攻撃に双六城は落城、安倍千寿丸は自害し、
奥方は崖から身を投げた。
これを重く見た実季は、
自ら出陣するも敗れ、湊城も奪われるなど苦戦したが、
檜山城に籠り道季を撃退した。
徐々に盛り返した実季はついに道季を大破し、
道季は討死したとも落ち延びたとも伝わる。
道季の奥方も落ち延びたが、双六城のあたりで囲まれ、
もはやこれまでと崖から身を投げた。
そこは奇しくも、安倍千寿丸の奥方が身投げした崖であった。
いつのころからか、二人の奥方が飛び込んだ場所は、
「御前落とし」
と呼ばれるようになったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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