「萬字」「錫杖」☆ | げむおた街道をゆく

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大浦為信公が養子入りしてから間もない夜、為信公はすやすやと眠っていた。

すると突然、荘厳な容姿をした二人の人が現れた。
 

為信公は、

「夢の中に現れるとは、汝らはいかなる者か。」

と尋ねた。
 

するとその二人は、

「我等は往古より岩木山に住み、

専ら勧善懲悪を宗として民を教戒することをもって心とす。

公(為信)、年頃、心意に秘すところの望み、時すでに至れり。

そうそう思い至るべし、我等はまた、公の旗を守護す。」

と答え、立ち去ろうとした。

その時、為信公が、

「御身の姓名は何という。」

と尋ねたところ、

「萬字」「錫杖」と二人は答えて西を目指して飛んでいくのを、

為信公が見ると、その夢は醒めた。

為信公は、

「古今稀なる霊験である。」

と喜び、岩木山を三度も拝んだ。
 

そして、夢に出てきた二人の名から、旗の紋に卍を、馬印には錫杖を用いた。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 天運時至れり・津軽為信、目次

 

 

 

 

 

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