沖田畷の戦いでのこと。
大将、龍造寺隆信を討ち取られた龍造寺軍は、壊乱する。
しかしこの時、龍造寺方の江利口藤七兵衛という者、
味方の首を獲って、島津方の者のふりをし、薩摩陣中に入り込んだ。
そして島津軍の大将、島津家久の傍まで来ると、
馬上にあった家久に襲い掛かり、右足の股の部分を斬りつけた。
この時、家久、とっさに左の方に馬から飛び降りようとした。
が、斬りつけられて反対の方向に逃げたと思われては、
薩摩武士の名折れと考え直し、右の方に飛び降り、藤七兵衛を斬りつけた。
そのうち家久の家来達も集まり、藤七兵衛は討ち果たされた、とのことである。
薩摩武士はとっさの判断ですら、臆病と見られてはいけないのだ。
そんなお話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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