島津家久は、日新斎に軍略を得たりと予言されてはいたが、
幼少より優秀だったわけでは無く、
4兄弟の中では唯一身分の低い妾の子である事に劣等感を抱いていた。
そんなある日、4兄弟は連れたって馬追いをした時のこと。
生駒にて飼育されている様々な馬を見て回ってる時に、
歳久は、
「毛色の違う馬は色々いますがどの馬も母馬に似るものです。
人間も似たようなものでしょうね。」
と言い放った。
歳久の言いたい事を察知した義久は、即座に否定した。
「子馬が必ずしも母馬に似るわけでは無いだろうし、
人間は畜生とは違い学問に励み徳を積めば、
父母よりも立派になるだろうし怠れば父母より劣る事になろう。」
後日、家久はその言葉を励みに、日夜勉学武芸に励むようになり、
数年のうちに日新斎の予言通りの立派な将に育つ事となった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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