荷駄を運ぶ☆ | げむおた街道をゆく

げむおた街道をゆく

信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

ある時、堀家では論争が起きた。

 

それは、
「荷駄を運ぶ際、荷駄の数を決める勘定役と、荷駄を運ぶ担ぎ役とではどちらが偉いか?」
と言うものであった。

 

現代風に言えば経理担当と現場担当どちらが大変か?と言う感じである。
 

これを聞いた秀政は勘定役、担ぎ役の双方を集めこう言った。
「わしはかつて、蔵入り奉行(経理担当)をしていたので、勘定役の苦労はわかる。

だが担ぎ役はしたことが無いゆえ、今からやってみる。

荷駄を用意してくれ。」

と言って荷駄を用意させ、自ら荷駄を担いで小高い山を乗り越えた。
 

そこで一緒に着いてきた勘定役と担ぎ役の双方に言った。
「わしも戦で鍛えたゆえ、荷駄ごときと思っていたが、間違いだった。

ここに運ぶまでにヘトヘトになってしまった。
担ぎ役達には、いつもこの様な苦労をさせていたのだな。
本当にありがたい。

これで勘定役も荷駄を運ぶ苦労がわかったであろう。

お互いが苦労をいたわれば良いのではないか。」
勘定役、担ぎ役の双方は秀政の体を張った説得に感動し、和解した。
 

以後論争は無くなり、家中の団結は一層強くなったのである。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 名人久太郎・堀秀政、目次

 

 

 

 

 

ごきげんよう!