堀秀政の家臣に、極めて泣き面の男がいた。
常日頃両目から涙を流し、眉をひそめていた。
そのため家中の者達から厭われていた。
秀政の近習達は、
「あの男の顔色は不吉であり、千里離れて見るのも鬱陶しい。早く暇を出すべきです。」
と言った。
秀政答えて曰く、
「その事か、しかし法事か弔いの使者に遣わすには無類の者である。
大名の家には色々の者を扶持するものである。」
近習たちは皆、口をつぐんだという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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