蒲生氏郷の死後、蒲生家の家臣・蒲生源左衛門(郷成)が、
本多正信にこんな事をぼやいた事があった。
「秀行様は、先代の氏郷様のように、
家来に親しんでくれると言うことがありません。
これは蒲生家が衰微する表れではないかと心配です。」
これに正信、
「いや、そう言う事ではありますまい。総じて治世と乱世では、
大将の威勢というものも異なるものです。
乱世と言うのは、大将の威が軽く、
下の者も、これに慣れやすいのですが、
治世では大将の威が重くなって、
下の者は馴れ辛くなってしまう物なのですよ。」
大名家も体制が固まれば、君臣間の個人的な親しみは入り込み辛くなる、
そう言うことであろうか。
こんな所にも、乱世と治世の違いが現れると言うお話。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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