嫁取り☆ | げむおた街道をゆく

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ある時、毛利元就は家臣の児玉三郎右衛門尉を呼んで、この様に言った。
「我が子・元春には、未だに妻室が無い。

誰の娘を娶るべきか、元春の心を聞いてきてほしい。」

そこで児玉が元春にこれを聞くと、元春は、
「それに関しては、唯父元就の命に従うだけだ。

ただ、私に選べというのなら、熊谷伊豆守信直の娘が良い。」

児玉はこれを聞くと、
「熊谷の娘は、憚りながら悪女であると聞き及んでおります。

もしや聞き誤り、かの娘が容貌美しいと思われて、いるのではありませんか?」

「いや、私も醜いと聞いている。しかれども今中国に、

 熊谷信直に勝る侍大将は居ない。
 私が彼と親しくなれば、信直はいよいよ元就に対し忠志を尽くすであろう。
 彼と私が元就の先陣にあって謀戦を励むにおいては、

 いかなる強敵・堅陣であっても、これを破るのに
 難しい事があるだろうか。
 これは父元就に対しては孝であり、私自身においては、

 武功を顕す謀ともなるであろう。」

児玉はこれを聞いて感じ入り、すぐに元就の元へ行きこの事を説明すると、

元就も大いに喜び、終に熊谷の嫡女を、元春のために娶られたという。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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ごきげんよう!