信玄と地黄八幡☆ | げむおた街道をゆく

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元亀二年(1571)、駿河で武田と北条が戦った折の事。
 

北条の猛将、北条綱成が、戦場に軍機を捨てたまま撤退した。
朽葉色の絹に八幡の二文字を染め抜いた、有名な「地黄八幡」の旗である。
この旗を拾った武田の武士達は「なんと言う様だ。」と、それをあざ笑った。

が、それを聞いた信玄は、
「あの戦を見ていたところ、綱成は慌てふためいてはいなかった。

撤退も次の戦を考えての事であったのだろう。

それに、旗を捨てたのは旗を持っていた物の罪であり、

北条綱成の事を笑うべきではない。」

と、言った。
この言葉は広まり、やがて綱成の耳にも入った。彼は、
「信玄の言葉で救われた。恥辱を受けずにすんだ。」
そう、敵将ながら、その心遣いに深く感謝した。

ちなみにその地黄八幡の旗は、「綱成の武勇にあやかるように。」と、

彼の配下、真田幸隆の末子に与えられた。
後の、真田昌幸である。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。

 

 

 

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