windows版・戦国立志伝で、歴史イベントを作成して楽しんでいます。
イベント名:北信愛の鷹
シナリオ:なし
繰り返し:なし
イベント概要:信愛の仁徳。
結果:なし。
条件:発生年月1600年7月一致。
[ 内容 ]
背景表示:人質解放
BGM再生:一陣の風
南部家の武将・北信愛が、和賀・稗貫郡を領して、花巻城にあった頃のこと。
時の藩主・南部利直は、信愛が老齢で目を患い、楽しみの少ない事を哀れみ、鷹野にでも出て気を慰められるよう一羽の鷹を与えた。
信愛はこれを喜び、その鷹を鷹匠に預けた。
ある日の事、鷹匠の一人が山野に出て、その鷹を放っていた。
鷹は一羽の鳥を捕らえると、そのまま近くの農家の側に降り立った。
するとそこへ、たちまち一匹の犬が駆けてきて、鳥もろとも鷹を噛み殺してしまった。
背景表示:報告
驚いた鷹匠はその犬を捕らえ、辺りの者を集めて飼い主をただしてみると、門右衛門という百姓の犬であった。
鷹匠は門右衛門を捕縛すると、これを同道して花巻城に引き返し、恐る恐る事の次第を信愛に言上し、罪に服したいと願い出た。
それを聞いた信愛はいつになく立腹の体で、鷹匠を叱りつけた。
北信愛 「お前は、なんと無分別な事をするか。」
北信愛 「この門右衛門は飼い犬をそそのかして鷹を噛ませたものではない。」
北信愛 「またお前とて、鷹を犬に噛ませようとして放ったわけではあるまい。」
北信愛 「元来、犬はその性分として鳥獣を噛もうとするのは当たり前のことだ。」
北信愛 「鷹は他の鳥類に優れて眼も羽も速いものであるから、滅多に犬などに噛まれたりするものではない。」
北信愛 「それが噛まれたというのは、鷹の方に油断があったのであって、その命運が尽きたものである。」
北信愛 「一体、あの鷹はその門右衛門に比べて、これまでどういう働きをしたというのか。」
北信愛 「あの鷹は拝領の鷹である故、お前が責めを重んじてそのような処置をとった事は一応無理のない事であるにしても、」
北信愛 「わずか鷹一羽のために、大事な百姓を痛めるわけにはいかぬ。」
北信愛 「お前は粗忽にも門右衛門を捕らえてきたが、早くその縄を解いて、門右衛門に謝罪せねばならない。」
鷹匠はこれを聞いて、おおいに恥じ、門右衛門に深く詫びて帰宅させた。
この話を聞いた和賀・稗貫の人々は、いずれも信愛の仁徳に感じ入り、その信望は増すばかりであったという。
以上、「戦国ちょっといい話・悪い話まとめ」より。
ごきげんよう!