前回より続きます。
10年近く前の大学受験の予備校の生徒募集の仕事をしていた時の話を続けます。
営業の仕事
軒並みで電話営業し、「結構です。」の嵐の中、電話をし続け、予備校の見学に親子で来て頂き、見学に来られた親御さんと生徒さんを、入塾まで導くという仕事。
そしてそこの営業マンたちは、本当に人種が様々な職場でした。
私は良い悪いに関係なく、私は大企業のキャリアが長かったのですが、ここの職場は、私が出会ったことのないような方ばかりでした。
一言でいうと、その筋の方。もとヤンキー。・・・そんな方ばっかり。元いじめられっ子。慶応大学卒業なのに一間四畳半で生活している高齢の男性。体重100キロを超える精神疾患を抱える女性・・動物園、ワンダーランドみたいだと思ってしまいました。
職場では、怒声が飛んだり、机をドンドン叩いて部下を恫喝していたり、「てめえ、ボコボコにされたいのか。」と脅迫していたり・・・胸倉をつかもうかというぐらいの喧嘩も日常茶飯事・・・部下が男性であろうと女性であろうとある意味平等に差別なくパワハラが展開される。
「弱い人」代表選手の私は、出社1日目にして真剣に辞めようかと思いました。
しかし私には同棲を始めた女性が居たので逃げるわけにはいきませんでした。「郷に入らば郷に従え」の言葉通り、今までの自分を全部捨てて、電話営業の仕事に打ち込みました。
入社三カ月目で、社内40人の営業マンの中で、上位3位に入り、1年3カ月後には文句なしのNO.1セールスマンになり
会社の上司からも、「てつてつよ。俺はお前の事を180%認める!!お前は素晴らしい!!」と言って頂きました。
なぜこれができたか。
私の心の師・佐藤康行先生の元で、この「無敵の人」という真意を学んでいたからです・・・とここまで書きました。
いよいよ続きを書きます。とても忘れられない思い出があるのです。
そういう非常に個性的すぎるくらい個性的な人間がいる中でも、異質の存在感を放っている人が居ました。
仮にIさんとします。
Iさんは元暴走族か何かの副総長(笑)。
私の人生には全く縁がなかったタイプの人です。
とにかく腕っぷしには自信がある。その武勇伝は少なくとも一か月に一回は耳に入ってくる。
大体が2~3人に理不尽にからまれ、その2~3人をボコボコにして警察に捕まって、釈放されて、次の日は、拳に包帯をグルグル巻きにして出社してくる。そんな人でした。
剣道三段だそうで、私立高校時代に余りにも素行が悪く、高校2年生の時の年度末の先生方が集まる職員会議で、満場一致で「中途退学」が決まり、その後腕っぷしだけで肉体労働系の仕事を渡り歩き、現場監督となり現場の親分的な存在だったそうです。
当然、部下の労働者も荒くれ者が多かったそうですが、そんな荒くれ者たちが喧嘩をしているのを見ると、その2人の髪の毛をがっちりつかんで、2人の頭をごっちんこしてぶつけさせて、「はい!仲良くしなさい!」と一喝すれば丸く収まったそうです(笑)。
そんな肉体系の労働系の彼が、なぜか、真逆の大学受験の予備校という室内の電話営業の世界に飛び込んできたのです。
彼との、今思い出すと面白過ぎる彼との物語は、私が入社して1年後から始まります。
今思うと、本当に彼の事が懐かしく思い出されます。
続きます。
ありがとうございました。