ときどき通信

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折々の話題、世の中の動き、創作料理などじいじの思いつくままのお気軽エッセイ。

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久しぶりに本屋に立ち寄り書棚の間をブラブラ歩く。雨宮処凛さんの「仔猫の肉球」を買い、小泉武夫さんの「料理道楽」、夏坂健さんの「ゴルフを以って人を観ん」と「騎士たちの一番ホール」を予約。小泉武夫さんは発酵学で有名な方だが、研究室に籠っているよりは食材探求や地方の伝統食がお好きなようで自らも手作りで食を楽しんでいるようだ。夏坂さんは、亡くなったと記憶しているが(間違っていたらごめんなさい)、ゴルフに関する著作を多数書き上げており、私の大好きな作家の一人だ。

雨宮処凛さんの著書は初めてだが、新聞などで鋭い時評などを目にし以前から注目していたので、つい読んでみる気になった。そのタイトルに惹かれたのも確か。仔猫ときたら通り過ぎるわけにはいかないのだ。我が家の「くろべえ」については以前書いたので省くが・・。

最近の読書は前に読んだ本を引っ張り出しての再読がほとんど。これも又、かつて読んだ時と全く違う受け止め方をしたりして面白い。歳を重ねて物の見方が変わったりするとかつては面白いと感じなかったことに興味が湧いたり、なんとなく読み飛ばしていたことが胸に迫ったりしてくる。

近年、“活字離れ”とかで本の売れ行きが下がっているようだが、読書は心の漢方薬、すぐにどうなるものでもないが、何かしら栄養を与えてくれる。

 カメラをぶら下げてそぞろ歩き。今回は月島・佃島・築地を徘徊。佃煮発祥の地佃島だが今は3軒のみが製造販売しているだけ、とか。客の姿もなくひっそりしていた。私はもともと佃煮はあまり好きではないのだが、古来の食文化を担ってきた老舗が消えるのはやっぱり寂しい。

 月島と言えばもんじゃ焼き。もんじゃ通りには多くの店が軒を連ねていたが朝早かったのでまだ開店していなかった。表通りから細い路地に入るとそこにももんじゃの店が。狭い通路の両側には木造の民家が軒を接し、洗濯物などはためいている風景は下町そのもの。昔、板橋区の仲宿に一時期住んだことがあったが似たような空気が漂っていた。背後の高層マンション群との対照が面白い。

 とことこ歩いて築地市場へ。水曜日だったので市場はお休み!が、周りの食い物屋は大賑わい。ほとんどが中国人観光客。昼時だったので適当な店に入って海鮮丼を注文。1,580円の一番安いものだったが、それにしてもひどい代物で、築地が泣くぜ、と一人ごち。観光客、一見客相手のぼったくり商売だ。

 そこから又とことこ東京駅方面に向かう。途中、歌舞伎座の近くに“うりきり屋”と書いた瀬戸物屋があったので覗いてみた。多様な半端物が並んでいて結構楽しい。ちょっと洒落た丼を見つけたので3個(しかなかった)買った。この丼でラーメンを食べるのだ。中華三昧広東風が好きで、休日の昼は大抵これ。ねぎを刻み、メンマを用意し、自分で作った焼き豚や塩豚をトッピング。まずいソバ屋のラーメンより確実に旨い。街歩きはこんな楽しみもある。

  リフォームを機に何度目かの断捨離に挑戦した。これまでも引っ越しの度にかなり思い切って不用品を整理してきたような気がするが、又いつの間にやら物が増えていた。

 断捨離を実行する中で一番悩むのは本とアルバムだ。どちらもそれぞれに思い入れがあり、これまでも整理できずにきた。今回は、本は半分に減らす、と決めて実行した。基準を「もう一度読みたいか」、「これからの暮らしや活動に必要か」に置いた。見事、書棚の半分が空いた。やっぱり寂しい。

 次はアルバムだが、とりわけ子どもたちの幼少期のものは捨てる決断がつかないが故に今まで手付かずできた。が、それは親のノスタルジーだったり、思い込みだったと知った。過日、一緒に食事をとやってきた娘に「子どもの頃の写真持っていくか?」と聞いたら、「いらない!」とひと言。これで踏ん切りがついた。60冊ほどあるアルバムを5冊に減らす作業に取り組んでいる。

 そして、衣類。かつて、今ほど体形が崩れていなかった頃のスーツやスラックス、ジャケットなど、「もしかしたら、又着られるようになるかも」ととっておいたものを一気に処分した。

 実は、リフォームも断捨離も妻の「これから歳を取っていくと家具ひとつ動かすのも大変になるから今のうちにやってしまいましょう」のひと言がきっかけだった。以前なら突っぱねていたかもしれないが、仕事を通じてごみ屋敷になっている高齢者の住まいをいくつも見ているので素直に従った。