治療開始から初めての通院 | あ~ぁ、白血病になっちゃった

治療開始から初めての通院

21日、グリペックを飲み始めて最初の診察日。妻は一緒について行きたがったのだが、これ以上仕事を休んでもらうのは気が引けたため、1人で行くことにする。生憎雨が降っていたので、妻を駅まで送っていく。雨の日の道路は混んでいて、今まで1時間で着いていたのに1時間30分もかかってしまった。普段は電車通勤なので、車の通勤ラッシュはよくわからない。


病院に着いてすぐ血液検査。血液検査をしてくれたのは、マルクの時にいた看護師さんだった。待合室で診察を待つ。「また待つのかなぁ」と覚悟をきめていたけど、意外と早く呼んでくれた。

「血液検査の結果です。まだ1週間しか経ってないからなんともいえません。異常値ではありますが、白血球の数が半数になってます。副作用は何かありましたか?」

「副作用は、倦怠感・吐き気・目の充血がありました。」

「吐き気って、嘔吐しましたか?」

「いえ、嘔吐はしていません」

「ひどい場合は吐いてしまうし、目の充血といっても、そんなに充血していません。あなたの場合は、いたって軽い副作用ですから、このままグリペックを毎日4錠飲み続けましょう。ただ、今後ひどい副作用が発生するかもしれませんので、その場合は電話して下さい。薬の量を減らすか、しばらく休むか指示します。それから、白血球の数が減りすぎることもあるし、健康な造血肝細胞がどのくらい残っているかポイントなので、とりあえず半年を目標にグリペック飲んで、定期的に血液検査をして下さい。」

「はい」

「ところで、あなたは今の会社にプロパーで入ったの?」

「いえ、中途採用です。」

「ふーん」

何でそんなこときくんだろう。と思いながら診察室を出る。

薬局でグリペックを買いにいく。薬剤師に

「支払いにクレジットカード使えないんですか?」

「使えません」

「じゃぁ、現金の持ち合わせがない場合は、どうすればいいのですか?」

「病院の中にキャッシュディスペンサーがあります。」

「あるのは知ってますが、あそこだと手数料がかかるので嫌です」

「そういう場合は、次回の通院でもいいですよ。癌の薬は高額なので持ち合わせがない患者さんが多いんです」

クレジットカード使えると楽なんだけどなぁ~。


午後帰宅し、夕方弟君を迎えに保育園に行く。保育園に行くのは4月1日の入園式の日以来初めて。保育士さんに、1オクターブ高い声で、

「あら~めずらしーわねー!」と言われてしまった。弟君はニコニコしながら走って、僕の両腕の中に飛び込んできた。うれしいよねー。こんなことなら、毎日迎えに行きたいなぁって思ってしまった。

お兄ちゃんも小学校から返ってきて、息子達と三人でお兄ちゃんの自転車のパンクを直しに行く。が、空気が抜けていただけでパンクはしていなかった。技術料だけ取られてしまう。その後で、近くの公園で遊んで帰る。

帰宅後、お兄ちゃんが

「明日、学校で野球があるんだけど、キャッチボールとトスバッティングをお父さんが疲れていなければやって欲しいんだけど…」

実際は疲れていたんだけど、「そんな風に言われてしまっては」と思い。付き合った。が、キャッチボールを終えて、家に着いたら、疲れて動けなくなってしまった。たかだかキャッチボールしただけなのにこんなに疲れてしまうなんて、こんな身体になってしまった自分が情けなかった。だけど、お兄ちゃんが私の身体に気を使ってくれたということで、相手の立場になって考えることができるようになったんだと思い、お兄ちゃんの成長が感じられてうれしくもあった。

そんな出来事と感じたことを帰宅後の妻に話したところ、

「あなた病人なんだから疲れるのは当たり前じゃない。」の一言でバッサリ!

この複雑な心境を妻には理解してもらえませんでした。逆に自分は考えすぎなのかもと思わされてしまった。