世界のカレー大辞典

新橋
郭良政 味仙


名古屋に本店を構える名古屋名物・台湾ラーメンの店です。2016年に東京進出(神田×2、新橋)を果たしました。しかし、ここの台湾ラーメンは、本国には存在しないオリジナル料理なのです。


台湾ラーメンは昭和40年代に味仙で考案され、今では多くの名古屋市内のラーメン店や中華店で食べられると言われるほど、本場の台湾には存在しない名古屋生まれの名物として定着しています。


味仙では台湾出身の店主が、台湾の担仔麺(タンツーメン)をベースに辛くアレンジしたのが始まりで、元々は従業員用のまかない料理だったそうです。これが常連の間で評判となり、やがてメニューに加わわりました。そして、80年代後半に巻き起こった激辛ブームを追い風に、一気にブレイクを果たしたそうです。

その台湾ラーメンが、味仙で修行した孫弟子筋にあたる「麺屋はなび」により「台湾まぜそば」へと進化しました。


次に、カレーへ応用したのが台湾ミンチカレーです。「台湾ミンチをカレーにかけたら美味いんじゃないか?」という『麺屋はなび』店主の閃きから生まれ、新たな名古屋の名物カレーとなりました。


そして、「秘伝 台湾ミンチカレー」として「味仙」のランチメニューへと先祖返りしたのでした。中華スパイスのパンチが効いた、あんかけミンチご飯のカレー味といった感じですが、カレーよりも中華スパイス感が勝っています。


しかし、カレーよりも気になったのが、「アメリカン」とか「イタリアン」とか「アフリカン」の文字が台湾ラーメンのメニューに踊っていたことです。どうやら台湾の辛さを抑えたのが「アメリカン」、辛さを倍にしたのが何故か「イタリアン」、そして、猛烈に辛さを増したのが「アフリカン」だそうです。

「えっと、激辛が好きな彼には台湾のアフリカンを、私は1.5倍位の辛さがいいから、台湾をアメリカンにして、イタリアンを加えてください!」と言ったオーダーを聞いた場合、もはや国籍不明な料理としか思えませんね。

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