5.南アフリカのカレー


南アフリカ大陸では南アフリカ共和国など一部の地域で、カレーが食文化に浸透しています。これは歴史的に南アフリカはインドからの移民が多かったからで、19世紀にイギリスがインド洋沿岸地域を植民地とした際、

砂糖園プランテーション労働力として、ヒンドゥー系インド人年季契約労働者が導入されたことが深く関わっています。


南アフリカ共和国では、ボボティーと呼ばれる代表料理があり、カレー風味のミートローフのような料理で、スパイシーな味付けが特徴です。17世紀に東インド会社は南アフリカ共和国のケープタウンに中継基地を設けました。そして、農園や家庭の労働力として、スマトラからマレー人を連れてきて働かせました。そのマレー人達が作るスパイシーな料理は、南アフリカの白人に浸透していき、現在でも南アフリカ共和国に根付いています。

 

 

南アフリカでよく食べられるカレー料理にバニーチャウも有名です。くりぬいたパンにカレーを詰めたものですが、飲食店から料理を持ち帰るための容器がなかった時代にパンを食器替わりにして持ち帰ったことがルーツとされています。



モーリシャスは、国民の7割方がインド系ですので、インドカレーを日常的に食べています。但し、インドカレーとは言っても、モーリシャスは、マスカレン諸島にありイギリス連邦加盟国でもあることからヨーロッパの影響も受けているようで、トマトとタコの旨みが凝縮された「オクトパス・カレー」が有名です。

 


モザンビークでは、フランゴ・ア・アフリカーナという鶏肉をスパイスとココナッツミルクでマリネして焼いた名物料理があります。