春を待つ冷たい雨の日に | 夕暮れ 坂道 島国 惑星地球

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高橋徹也 official Blog

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高橋徹也です。
 
13年前。僕はその日たまたま休みでお茶の水の楽器屋さんにいました。昼間は春を感じさせる陽気で、ひと足早く春もの服を着て出掛けた記憶があります。そしてあの時間。店員さんに退避するよう促されて外に出ると、明治大学キャンパス前の長いなだらかな坂道が、波のようにうねっているのを目にして、あぁこれが映画で観た世界の終わりかと立ち尽くしていました。それからは多くの方が経験したように、交通機関が止まり、七時間かけて家まで歩いて帰宅。道中のコンビニではトイレに並ぶ長蛇の列、棚はガラガラ。遠く離れた東京でさえこうなのだから、現地のことを思うと言葉も何も出てこないし、ただただ無事を願うばかりでした。それ以前とそれ以後。自分の中で、確実に何かが変わる出来事だったと思います。
 
13年後の今。災害も感染症もこの日で終わりというものはなく、低い持続音のようにずっとそこにあるものだと学ばされます。そしてそれはお金や備えがあっても防ぎようのないことかもしれません。だからこそむやみに先を悲観することなく、まずは親しい隣人と助け合いながら、今日を、今を、明るく楽しむことも大切だと思います。なんて正直、言うのは簡単です。実際にはあれこれ心配だってするし、しょんぼりしてしまうこともあります。そんな時にこそ、身近にあるレコードが、音楽が、ちょっとした気休めになったり、前に進むきっかけになったらいいなと思います。少なくとも僕にとって音楽とはそういうものです。春を待つ冷たい雨の日に。考え続けること、忘れないこと。

 

 

今期のテレビドラマ事情
 
この冬シーズンのテレビドラマは個人的に豊作。まずは宮藤官九郎さんの『不適切にもほどかある』、そして大好きな芦田愛菜ちゃんが出演する『さよならマエストロ』、この二作品が筆頭です。それに続くのが途中から觀始めた『厨房のありす』、桐谷健太さんと瀬戸康史さんの共演が魅力の『院内警察』、あとは韓国の人気俳優チェジョンヒョプさんが出てるドラマ(タイトルは知らず)と、この辺りが僕のお気に入りです。特に『不適切にもほどがある』は、自分がリアルに体験してきた昭和の文化が題材なので、めちゃくちゃ共感するし、小ネタに大笑いしてるのに、なぜか最後に泣けてくる感じが、さすが宮藤官九郎さんだと感心します。その昔、スタジオ練習の行き帰りに、吉祥寺で宮藤官九郎さんを見かけたのが懐かしいです。行き付けの喫茶店で執筆してたなんて話を後から聞きましたけど、本当かどうかは知りません。話は『不適切にもほどがある』に戻るけど、昭和のスケ番として登場する純子ちゃんがかわいいのなんのって。あとは近藤マッチに憧れるムッチ先輩がくだらなくて面白すぎ。毎週泣き笑いしながら観てます。最終回に向けて予測不能な今後の展開も楽しみです。

 

 

あとがき
 
先日、心地よい冬晴れの日。初めて東京は神田明神に行ってきました。元はと言えば去年話題になったテレビドラマ『VIVANT』のロケ地でもあったのがきっかけで。何となく気になっていたのが神田明神でした。実際に行ってみるとアクセスも良いし、本当に心地よく素敵なところでした。おみやげ売り場やカフェ施設も充実していて、次回は必ず神田明神プリンを食べたいと思います。結局スイーツかよ(笑)
 
季節の変わりめ。
温かくして健康に過ごしましょう。
 
adios!
 
高橋徹也