高橋徹也です。
3月11日。もう何度かこのブログでもこの日のことを書いてきたと思いますが、やっぱり今日も同じ話をしてしまいます。15年前の今日、僕は休みの日で午前中から東京・御茶ノ水で楽器屋さん巡りをしていました。その日は三月だというのに何だか妙に肌寒い気候で、すっかり春もの洋服で出掛けてしまったことを後悔したものです。午後になってイシバシ楽器のエフェクター・フロアに滞在していた時だったでしょうか。突然、今まで体験したことのない激しい揺れに見舞われ、それが実際よりもはるかに長い時間に感じられたことを今でも覚えています。店員さんに誘導されながらとにかく外に出てみると、見慣れた明治大学前の緩く長い坂道がゴムのように上下にうねっている。病院の高い建物が折れそうになるくらい左右にしなっている。いつかパニック映画で観た世界の終わりのワンシーンを見ているようで、現実感がなくただただ呆然とそれを見続けていました。
その後は皆さんとほぼ同じだと思います。停まった電車、人で溢れかえる駅前、長い渋滞で動かない車の列、歩いて帰宅する人の列、商品のなくなった空っぽのコンビニエンスストア、トイレに並ぶ長蛇の列。途中、電車が動き始めていないかと立ち寄った新宿で見た現地のニュース映像に、これは大変なことが起こってしまったと、愕然としたことを覚えています。
約7時間かけてようやく家に辿り着いたのが夜10時頃。体は冷え切って風呂に入ろうとしたらガスは止まっていました。ひとまず両親に連絡してお互いの無事を確認し、これから一体どうなってしまうのだろうと。遠く離れた東京でさえこの混乱ぶり。現地の方々の被害と心痛たるや、想像に及びませんでした。
心の底から打ちのめされた時、自分は音楽なんて聴かないだろうし、何の助けにもならないと思います。寝るところや食べるものがあって初めて成り立つもの。でもそこからまた顔を上げて、ゆっくりと歩き始める時、音楽はほんの少しその助けになるかもしれない、とも思っています。2015年にリリースしたアルバム『The Endless Summer』、特に「サマーピープル」という曲は、そんな想いを込めて作った歌です。これからもその気持ちを忘れずに大切に歌っていきたいと思います。どうか皆さんが今、健康で幸せでありますように。
2026年3月、まだ肌寒い早春に。
高橋徹也

