前回の続き
3.素晴らしい女性たち
あさきゆめみしのファンが好きなのは、源氏本人ではないため、読書として、女性に注目すべきである。
源氏本人が好きな人ランキングをつけると↓になる。
1位:紫上むらさきのうえ
2位:明石君あかしのきみ
3位:葵上あおいのうえ
圧倒的No.1「紫上」
No.1だが、苦労の多い人だった。
紫上は、女三宮の事件をきっかけに、精神的に病んでしまい。出家を申し出るも、源氏はそれを拒否。
寂しいから離れたくないわけである。
↑最後は亡くなってしまうが、私も紫上が大好きだったので、このシーンは本当に泣いた。
2位、須磨の「明石君」
源氏が政敵である弘徽殿女御こきでんのにょうごの妹(朧月夜おぼろづきよ)との関係がバレる。
弘徽殿女御は、源氏の父の桐壺帝のNo.1であったが、源氏の母(桐壺の更衣)にその座を奪われたから、桐壺更衣及び、光源氏が大嫌いである。
なので、源氏はど田舎の須磨に流されてしまう。
そこで、知り合ったが、容姿、教養、性格全てにおいて完璧な女性なので、源氏はたちまち好きになる。
源氏も、紫上を除いて明石君がNo.1と認めている。
↑紫上も明石君を特別視している。
源氏の死後も子どもたちのことを色々取り仕切るなど、本当に完璧な素晴らしい女性である。
3位、正妻の「葵上」
葵は正妻なのに、ツンツンしている。
↑ツンデレでかわいい。葵は私が一番好きなキャラクターかもしれない。
しかし、源氏待望の第一子(夕霧ゆうぎり)出産後に亡くなってしまう。
六条御息所ろくじょうのみやすんどころに呪い殺される。
六条御息所は現代でいうメンヘラであり、生霊になって源氏のゆきずりの女(夕顔ゆうがお)を呪い殺す。
六条御息所は身分が高いので、彼女からしたら町娘に等しい夕顔は卑しい女である。
自分を差し置いて、そんな女と遊ぶ源氏が許せなかったわけである。
で、そのうち葵にも嫉妬して呪い殺してしまう。
源氏が、ツンツンな葵との夫婦関係がうまくいっていないと六条御息所に愚痴っていたのに、子ども(夕霧)を作ってしまったからである。
4.唯一の難点
以上のように、源氏物語には多数の女性が登場する。
薄々感じているかもしれないが、あさきゆめみしは昔の少女漫画であるため、人物の顔がほとんど同じである。
そのため、女性の判別が非常に難しい。
↑最後の「今までの素晴らしい人達ありがとう!」みたいなシーン。
これを顔と名前を一致されるのは至難の業である。
あさきゆめみしを読んでから何年も経つが↓をやってみた。
藤壺と明石レベルの重要人物ですら自信がない。
紫の上と藤壺も逆かも(もう分からなくなってきた笑)
葵と夕顔は顔が全く同じに見えるが、顔がデカい方が重要人物と判断して、葵にした。
このように、似すぎているため、話の流れから自分を追っていかないと、半分くらいしか判別できない。
前編でストーリーの大まかなイメージを掴んだ方がいいと言ったのは、この理由が大きい。
5.さいごに〜宇治十帖編は読まなくてもいい
源氏物語の第二部として、宇治十帖編というのがあるが、これは主人公が完全に変わる。
薫(柏木と女三宮の子)と匂の君(源氏と明石君の孫)の二人になる。
しかし、あんまり面白くないし、源氏もでないし、終わり方も微妙なので、個人的には読まなくていいと思う。
ちなみに、源氏物語最終章(54章)のタイトルは「夢浮橋ゆめのうきはし」だけ、有名なので、意味を貼っておく。
以上で、あさきゆめみしの紹介はおわり。
現代人もビックリの壮大な恋の物語を書いた紫式部が凄すぎる。
そして、それを見事に漫画にしてくれた大和和紀氏に感謝。
あさきゆめみしとの出会いは、10年以上前に大学受験の古文の勉強で先生に勧められたのがはじまり。
全巻揃え、以降の人生で何度も読んでいた。
どうでもいい話だが、大和和紀の漫画は他のも面白く、「はいからさんが通る」「ヨコハマ物語」「ニューヨーク小町」も読んだ。
とくに、ニューヨーク小町がオススメである。
おしまい