※長くなるため前編後編に分ける。


大河ドラマで紫式部の「光る君」がやっている。


そのため、本屋さんには源氏物語関係の本がいっぱい。


ということで、源氏物語の漫画で最も有名な、大和和紀「あさきゆめみし」を紹介したい。

これは、めちゃくちゃ面白い!



大和和紀の力があるにしても、これが1,000年前に書かれた物語だとは、到底思えない。



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天才だ。紫式部は。


と、当時の私も思った。



  1.マザコンの物語


ここからネタバレがあるが、あさきゆめみしは漫画とはいえ、当時の宮廷・貴族の様子が詳細に書かれているとの評価であり、文学(≒教養?)的な感じもするので、個人的には多少内容を知っていても問題ないと思う。




また、登場人物が多く話も長いのでいきなり読むよりかは、ある程度イメージできたほうがよいと思う。






源氏物語は壮大なマザコンの話である。




主人公の光る源氏は、母(桐壺更衣きりつぼのこうい)を早くになくしたため、母親が大好きになる。




天皇である父親(桐壺帝きりつぼてい)は、桐壺更衣が大好きだったため、顔がソックリの人(藤壺ふじつぼ)と再婚する。




源氏にとって、藤壺は血の繋がりない母親にあたるわけだが、

なんと関係を持ってしまう。




しかも、子ども(後の冷泉帝れいぜいてい)までできてしまうが、父親の桐壺帝は何もしらない。源氏と藤壺だけの秘密である。



漫画では、桐壺帝は実は何もかも知っていたという設定。このシーンは泣ける。





さらに、藤壺の姪(紫上むらさきのうえ)が、藤壺に似ていてとても可愛かった。




たぶん、小学生くらいの年齢だったが、

家に連れて帰り、自分好みに教育して結婚してしまう。


これが、一番気持ち悪いエピソードかもしれない。






紫上初登場の有名なシーン。古文の授業でも「雀の子を犬君が逃がしつる、伏籠のうちに籠めたりつるものを。」と、習った。



なお、あさきゆめみしは、このように再現度が非常に高いことがわかる。




  2.ダメ男の源氏


マザコンで、義理の母と子どもを作ったり、ロリコン(=ロリ婚?)とどうしようもない源氏だが、他にもダメエピソードは結構多い。




色々、あるが私が一番ムカついたのは女三宮おんなさんのみやの件である。




この事件が、紫上のコンプレックスを刺激する。




紫上は、非の打ち所がない女性であるが、コンプレックスが2つだけある。


・身分がさほど高くない

・子どもができなかった

・正妻ではない



女三宮は子どもっぽく、ぼけ〜っとしており常に猫を可愛がっていた変な女である。







要するに、紫上の敵ではないわけだか、朱雀帝すざくていの娘なので、身分はかなり高い




しかし、朱雀帝(このときは引退して朱雀院)に押し切られ、紫上を差し置いて正妻格にしてしまう。そして、子ども(薫かおる)もできてしまう。




これを機に紫上は病んでしまう。



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こればっかりは、源氏を許せなかったなぁ



また、この子ども(薫かおる)といのは、源氏の子どもではなく、ライバルでおる頭中将とうのちゅうじょうの子(柏木かしわぎ)の子である。




つまり、自分が過去に父親の嫁(藤壺)を寝取って後の冷泉帝れいぜいていを妊娠させたが、それと似たようなことをされたのである




源氏は柏木を精神的に追い詰める。



その結果、柏木は精神を病んで死んでしまう。



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自分のことを棚に上げて、ホントクソだな、こいつ



あさきゆめみしのファンで光源氏本人を好きな人は誰もいないのではないかと思う笑



顔以外でいいところがないのである。



(後編につづく)