本屋の新刊コーナーに平積みされていた本を図書館で借りて読んでみたため紹介したい。


 


  1.どんな本か?



最初に言っておかなければならないことは、この本自体を読んでも教養は身につかない。




私は本の表紙から、てっきり宗教、歴史、哲学の重要性や、「◯◯の本を読んだ方がいい」とか教えてくれる本かと思った。




しかし、そうではなかった。

この本の趣旨はザックリ以下のとおりである。



1.はじめに、現代における「教養」の見直し・再定義を行う


2.筆者の随想録をひたすら読んでいく





1.現代における「教養」とは


「本を読むこと」=「教養」の時代は終わり。

単なる豆知識は役には立たない。

ネットで簡単に調べられるし、AI(チャットGPTなど)に勝てっこない。

重要なのは、答えのでない問いなど深堀りして考えること




2.筆者の体験や感じたことが随想録として延々と書いてある


1個の随想が4ページで、それが60〜70個ある。

それをひたすら読み、「これが現代の教養か」「こうやって感じたり、成長していくのか」「こういう人間にならなきゃ」など、読者自身が感じていく



  2.内容は面白かった!


筆者が背中で語ってくれるものを、読者自身で受け取らなければならないわけだが、、、



サムネイル
 

その前に、田坂広志って誰や?

歴史的偉人や著名な経営者でもない人の随想録を読んでもなぁ


フラシス・ベーコンの随想集を読んだばかりだし、こう思ってしまうのは仕方がないだろう。





しかし、ベーコンの随想録より面白かった




まず、読みやすかった。




スラスラ読めてしまった。

というのも、文章力がかなり高い




1つの随想は4ページで終わるが、構成(起承転結・序本結)がしっかりしている。




文章も決して難しくなく平易な書き方になっており、かと言って稚拙な印象はない。




自慢っぽく感じなかったが、それは文章力の高さによるものだと思う。



お手本にしたい。




そして、内容が充実している。




考え方、感じ方がとても参考になる。

人生において深い経験を積んできたのがわかる。




そこで得たものの一部を本によって与えてくれるのはありがたいと思うことができた。




  3.筆者の主張


バラバラの随想録に思えるが、内容がある程度一貫している。




「あ、ここで言っているのは、さっき言っていたことと同じだな」というのが結構出てくる。




筆者の主張は荒唐無稽でなく、数個の大事なことを繰り返し述べているだけである。




頻出のワードで私が気になったのは次の3つである。



・賢明なもう一人の自分

・直感

・大いなる何か

具体的な定義はこの投稿ではしない



そう、意外とスピリチュアルな感じになっている。




しかし、もちろんこれは「占い」とか「風水」といった類のものではなく、

長年の経験や訓練などでやっと身に付けられる能力

である。




こういった能力はAIには代替不可能であり、こういった能力のある人が将来的にも重宝されると思う。




じゃあ、どうするのかというと



1.とにかく仕事で経験を積む


2.物事を深堀りして考える



この二つなんじゃないかなぁと思う。






先述したとおり、わずか4ページの随想がひたすら書いてあるだけなので、隙間時間にちょこちょこ読んでみる読み方もオススメである。




1冊買ってトイレなどに置いて読んでみるのもいいかもしれない。