開高健記念館を訪ねた後、駅に戻らずに右へさらに南下。「ラチエン通り」という狭い道で、10分くらい歩くと静かな海岸に出る。菱沼海岸。ここは、開高一家が茅ヶ崎に引っ越した最初の元旦に、初日の出を拝みに来たところ。あまりの人出にその一回だけだったらしいが。(開高道子著「父 開高健から学んだ事」)この日は快晴で波も穏やか、左手奥には江ノ島、右手には、海岸侵食を防ぐ為に作られたT字型の岬「ヘッドランド」が見え180度のパノラマ大絶景。この日、雲で富士山こそ見えなかったがスピリチュアル感マックス。多分、開高さんも執筆の合間にここに来て、太平洋の向こう、アメリカ大陸を北のアラスカから南のアマゾンまで釣りをしながら縦断する壮大な構想を練ったのでは(「オーパ」)。いつも知らない海岸に来ると、面白い形した石ころや流木などをこっそりポケットに入れて持ち帰る(コラーっ!)のだが、ここは砂浜だけで収穫なし。ゴミひとつ落ちてない。ビールを飲みたかったが飲食店も売店もない。次回来るとしたら、バッグに缶ビールと「オーパ」の文庫本を入れ、ここで時間を過ごしたい。しばらくボーッとして駅に戻る事に。イヤー遠かった、けど楽しかった。ここも「開高聖地」認定です。