上町の桜通り商店街入ったすぐ右手にある「宮」という店、前から気になっていたのだが、いきなり飛び込みで入るには勇気がいる佇まい。中から大きなガハハ笑い声が聞こえてくると多分常連客だらけかと。昼間、前を通った時に、隣の車庫で車を洗っていたおじさんがいたので声をかけ「この宮は、常連さんだけですか?」と聞いたら「いや、いい店ですよ、是非行ってみて下さい。」と言われ、某日決行。恐る恐る入ると客はまだいなく、やさしい感じの店主が迎えてくれ、いろいろな話が聞けた。もともとは魚料理中心で、夫婦で30年ほどやっていた店。6年前引退する時、常連客だった現店主が「常連が集まる店を残そう」と引き継いだ。彼は本業とこの店の二刀流。銀座のおでん屋で修行し、おでん中心のメニューにしたそう。赤塚不二夫さんのファンで壁には彼のサイン色紙もある。そしてメニューに「ちび太のおでん」を発見!ちび太は、いうまでもなく赤塚さんの傑作「おそ松くん」の人気キャラクター。彼がおでんを持って登場するシーンが多く、そのおでんを再現したもの。上から三角の「こんにゃく」丸の「がんも」下は「なると巻き」。泉麻人著の「シェーの時代〜おそ松くんと昭和こども社会」(文春文庫)によると下は「ちくわぶ」らしいが、細かい事は言わない。このナイスなアイディアと、味のしみたおでんに乾杯!程なく常連さんが集まりはじめ退散する事に。最後に、隣で車を洗っていたおじさんの事を話すと「ああ、大家さんです」と。そりゃ、いい店と言うに決まってると大笑い。ゴチソーサマデシター。マタ、来マース。